2008年 11月 30日
第4回「郷土の歴史講座」にて
|
今日は、現在開催中の「明治・大正・昭和の児童雑誌」に関連して、北海道立文学館の
学芸員・阿部かおりさんが講演。
函館図書館の初代館長だった岡田健蔵氏(1883-1944)の尽力によって、明治期からの
貴重な雑誌が収集され、また昭和9年の函館大火に寄せられた全国からの児童雑誌や図書
が多く残されていて、函館にしかない雑誌もあったりと、歴史的な価値も高い。
雑誌から世相の変遷が見られて面白かった。
特に、読者の確保のために雑誌の初登場の頃から投稿記事を採用して、読者の囲い込み
に一所懸命だったり、ひとつの雑誌が大ヒットするとその亜流の雑誌が次々と登場した
話など、初めて知る事も多かった。
また、「少女界」や「少女世界」など、早い時期から少女向けの独立した雑誌が発刊
されていたり、挿絵を主体にした絵雑誌が人気になるなど、今の時代と変わりのない
流れがあったのも面白く思えた。
1918(大正8)年創刊の「赤い鳥」をきっかけに、大人の審美眼にも耐えられる文芸
児童雑誌が次々と登場。
「おとぎの世界」や「金の船」、「童話」、「コドモノクニ」などでは野口雨情や
北原白秋、西条八十が中山晋平らと新しい童謡を発表。
ところが、昭和に入ると戦争への足音が聞こえ出し、挿絵などにも軍服っぽいのが
見え始める。
開催が土曜日という事で、参加なさった方は40人ほどと寂しかった。
それでも、しきりにメモを取る熱心な方が見受けられた。
帰り際、図書館の方にこれらの本を公開しないのか聞いてみたら、「本の痛みが激しく、
また修復の予算も無いので、今のところ公開は予定していない」との事。
著作権の問題もあって、デジタル化による閲覧も難しいらしい。
それでも、貴重な資料が多いので、今回のような機会はこれからも作ってくれるそうだ。
ランキングに参加しています、愛のワンクリックを....
by eastend0002
| 2008-11-30 22:30
| 個人ネタ